和歌と俳句

初鰹

目には青葉山郭公はつ鰹 素堂

鎌倉を生て出けむ初鰹 芭蕉

包丁のうしろ明りや初がつを 土芳

朝比奈が曾我を訪ふ日や初がつを 蕪村

又嬉しけふの寐覚ははつ鰹 暁台

年よらぬ顔ならべたやはつ鰹 太祇

日本橋や曙の富士初松魚 子規

江戸亡ぶ爼に在り初鰹 虚子

初鰹いたくさげすむ門地かな 蛇笏

初松魚ふれ来てこれぞ江戸芝居 秋櫻子

みどり葉を敷いて楚々たり初鰹 鷹女

山葵摺れ飯の炊きたて初松魚 喜舟

初鰹朝風呂好きときこへけり 喜舟

初鰹ひとの母子を身の辺 波郷

初鰹彼奴等と呼ばれつつも買ふ 楸邨

初鰹双生児同日歩き初む 草田男

下剃の研ぐ庖丁や初松魚 秋櫻子