水を蒔く奴が尻へ木葉哉
一莚霰もほして有りにけり
ちりめんの狙を抱く子よ丸雪ちる
霰ちれくくり枕を負ふ子ども
水鳥よぶいぶい何が気に入らぬ
江戸橋やつい人馴て浮寝鳥
大雪や印の竿を鳴く烏
我郷の鐘や聞く也雪の底
はつ雪や息を殺して相借家
雪ちるや銭はかり込大叺
分てやる隣もあれなおこり炭
綿玉のひそかにはぜる時雨哉
炭舟や筑波おろしを天窓から
喰て寝てことしも今よひ一夜哉
朝晴にぱちぱち炭のきげん哉
ふとんきて達磨もどきに居りけり
むまそうな雪がふうはりふはり哉
我宿に来さうにしたり配り餅
御ひざに雀鳴也雪仏
雪礫馬が喰んとしたりけり
妹が子は餅負ふ程に成にけり
浴るともあなたの煤ぞ善光寺
ほのぼのと棚引すすや江戸見坂