黒部四十八が瀬とかや 数しらぬ川をわたりて 那古と云浦に出 担籠の藤波は 春ならずとも 初秋の哀とふべきものをと 人に尋れば 是より五里いそ伝ひして むかふの山陰にいり 蜑の苫ぶきかすかなれば 蘆の一夜の宿かすものにあるまじ と いひをどされて かゞの国に入 わせの香や分入右は有磯海