尾花沢にて清風と云者を尋ぬ かれは富るものなれども 志いやしからず 都にも折々かよひて さすがに旅の情をも知たれば 日比とゞめて 長途のいたはり さまざまにもてなし侍る 涼しさを我宿にしてねまる也 這出よかひやが下のひきの声 まゆはきを俤にして紅粉の花 蚕飼する人は古代のすがた哉 曾良