和歌と俳句

月光西にわたれば花影東に歩むかな 蕪村

花の香や嵯峨のともし火消る時 蕪村

ちりつみて筏も花の梢かな 蕪村

玉川に高野の花や流れ去 蕪村

花盛六波羅禿見ぬ日なき 蕪村

かくれ住て花に真田が謡かな 蕪村

みよし野に花盗人はなかりけり 蕪村

雲を呑で花を吐なるよしの山 蕪村

浪の間はさくらうぐひや岸の花 青蘿

盃の流るゝはなの絶間かな 青蘿

いざさらば死稽古せん花の陰 一茶

花さくや目を縫れたる鳥の鳴 一茶

花さくや欲のうき世の片隅に 一茶

斯う活て居るも不思議ぞ花の陰 一茶

上下の酔倒あり花の陰 一茶

人撰して一人也花の陰 一茶

花の影寝まじ未来が恐しき 一茶