和歌と俳句

源俊頼

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われといへば あためのやまに しをりする もききのえだの なさけなのよや

よのなかは うきつのうらに つららゐて すがのむらとり あくがれぬべし

としふれば けかしきみそに おちぶれて ぬれしほとけぬ いとほしのみや

わぶるやま よにふるみちを ふみたがへ まどひつたよふ 身をいかにせむ

おひかせに よをうみわたる まはしまや はやわれかみは おもひすててき

あしてなき かにのおほのに はなたれて するかたもなき 身をいかにせむ

つはりせし ふたごのやまの ははそはら よにうみすぎて 消えぬべきかな

いとはれて よにふるあめの なかりせば たぐひなき身と なりやしなまし

たたみおける いはまをすぐる なみだがは おびただしくも たぎるなるらむ

ものおもひの こころくらべの かたひとに なるともまけじ たぐひなき身は

あらついそに さきいづるせゐの ゆるぎなく つめたてられて よにもふるかな

あけくれは みをつけたてて よのなかを きこのはしても すぐしつるかな

よのなかの そむきがたさに みのほどを おもひしらずと ひとにみえぬる

さりともと おもひはれども あづさゆみ いるべきかたも なき身なりけり

ふしつけし おどろのしたに すむはえの こころをさなき 身をいかにせむ

しみづやま ならのましばに かかされて ねらふさつをの たゆみなのよや

あやしとや ひとはみるらむ わびごとを たてぬきにして おるみとおもへば

新勅撰集・雑歌
なにとなく くちきのそまの やまくだし くだすひぐれは ねをぞなかれる

えちがはに いはこすさをの とりもあへず おとすいかだの いちはやのよや