後拾遺集・春 匡房
高砂の尾上の桜咲きにけり外山の霞たたずもあらなん
千載集・春 加茂成保
高砂の尾上のさくら咲きぬればこずゑにかかる沖つ白波
千載集・冬匡房
高砂の尾上の鐘の音すなりあかつきかけて霜やおくらむ
新古今集・秋 藤原秀能
吹く風の色こそ見えねたかさごの尾上の松に秋は来にけり
新勅撰集・春 式子内親王
高砂の尾上の櫻たづぬれば都のにしに幾重霞みぬ
新勅撰集・春 良経
たかさごの をのへのはなに はるくれて のこりに松の まがひゆくかな
定家
それながら春はくもゐに高砂の霞のうへの松のひとしほ
実朝
高砂の尾上の松にふる雪のふりていくよの年かつもれる
新勅撰集・春 前関白道家
まがふとも くもとはわかん たかさごの をのへのさくら いろかはりゆく
新勅撰集・恋 参議雅経
つれなしと たれをかいはむ たかさごの まつもいとふも としは経にけり
新勅撰集・恋 源有長朝臣
たかさごの をのへにみゆる まつのはの われもつれなく ひとをこひつつ
茂吉
高砂に夜おそく著き部屋にとほれば既にてきぱきと床をとる