穀値段どかどか下るあつさ哉
焼つりに一夜に直る青田哉
おりかけの縞目にかかる初袷
小短き旅して見ばや更衣
じつとして白い飯くふ暑かな
稗の葉の門より高きあつさ哉
凉しからん這入口から加茂の水
夕月の友となりぬる蚊やり哉
どこを押せばそんな音が出る時鳥
掃人の尻で散りたる牡丹かな
朝富士の天窓へ投る早苗哉
夜駄賃の越後肴や夏木立
堂守が茶菓子うる也夏木立
法談の手まねも見えて夏木立