和歌と俳句

小林一茶

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穀値段どかどか下るあつさ

焼つりに一夜に直る青田

おりかけの縞目にかかる初袷

小短き旅して見ばや更衣

じつとして白い飯くふ暑かな

稗の葉の門より高きあつさ

凉しからん這入口から加茂の水

夕月の友となりぬる蚊やり

どこを押せばそんな音が出る時鳥

掃人の尻で散りたる牡丹かな

朝富士の天窓へ投る早苗

夜駄賃の越後肴や夏木立

堂守が茶菓子うる也夏木立

法談の手まねも見えて夏木立