藤の花
草臥て宿かる比や藤の花 芭蕉
藤の花さすや茶摘の荷ひ籠 許六
のみ干して土から酔や藤の花 千代女
まつかぜも小声になるやふぢの花 千代女
松風を幾つにわけてふぢの花 千代女
地にとどく願ひはやすし藤の花 千代女
藤のはなながふて連におくれけり 千代女
法然の珠数もかゝるや軒のふじ 蕪村
人なき日藤に培ふ法師かな 蕪村
うつむけに春うちあけて藤の花 蕪村
月に遠くおぼゆる藤の色香哉 蕪村
しら藤や奈良は久しき宮造 召波
なつかしき湖水の隅やふぢの花 召波
物がたり読さして見る藤の花 白雄
しなへよく畳へ置や藤の花 太祇
藤さくや木辻の君が夕粧ひ 一茶