和歌と俳句

小林一茶

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世につれて花火の玉も大きいぞ

いざさらば露よ答よ合点か

木母寺は吐反だらけ也けふの月

稲妻を浴せかけるや死ぎらひ

へら鷺や水が冷たい歩き様

足枕手枕鹿のむつましや

鳴や浅黄に暮るるちちぶ山

大仏の鼻から出たりけさの

石梨のからりからりと夜寒

鵙の声かんにん袋破れたか

蓬生の露の中なる粉引唄

むさしのへ投出ス足や秋の暮

妙法の火に点をうつ烏哉

青空に指で字を書く秋の暮

こほろぎのふいと乗けり茄子馬

雀らもせうばんしたり蓮の飯

秋風の一もくさんに来る家哉

娵星の御皃をかくす榎哉

夕月や涼がてらの墓参

すは山やすべたも祭らるる

花芒ほやと成ても招く也

次の間の灯で飯を喰ふ夜寒

わか犬が蜻蛉返りの花の

膝がしら木曾の夜寒に古びけり

小夜妹が茶の子の大きさよ