和歌と俳句

真土山

奈良県と和歌山県の境にある山。

調首淡海
あさもよし 紀伊人羨しも 真土山 行く来と見らむ 紀伊人羨しも

弁基
真土山 夕越え行きて 廬前の 角太川原に ひとりかも寝む

古集
白栲に にほふ真土の 山川に 我が馬なづむ 家覆ふらしも

人麻呂歌集
あさもよし 紀伊へ行く君が 真土山 越ゆらむ今日ぞ 雨な降りそね

人麻呂歌集
橡の衣 解き洗ひ 真土山 本つ人には なほしがずけり

後撰集・雑歌 よみ人しらず
いつしかと まつちの山の 桜花 まちてもよそに きくが悲しさ

新古今集・秋 小野小町
たれをかも まつちの山の 女郎花 秋とちぎれる 人ぞあるらし