三船山
弓削皇子(万葉集)
滝の上の三船の山に居る雲の常にあらむと我が思はなくに
春日王
大君は千年に座さむ白雲も三船の山に越ゆる日あらめや
人麻呂歌集
み吉野の三船の山に立つ雲の常にあらむと我が思はなくに
車持千年
滝の上の三船の山は畏けど思ひ忘るる時も日もなし
人麻呂歌集
瀧の上の三船の山ゆ秋津辺に来鳴き渡るは誰呼子鳥
万葉集・巻十
朝霧にしののに濡れて呼子鳥三船の山ゆ鳴き渡る見ゆ
俊頼
このころはみふねの山にたつ鹿のこゑをほにあげて鳴かぬ日ぞなき
堀河院御時百首歌 隆源
滝の上の 三船の山の もみぢ葉は 焦がるる程に なりにけるかな
実朝
滝の上の三船の山のやまざくら風にうきてぞ花も散りける
実朝
吉野川もみぢ葉ながる瀧の上の三船の山に嵐ふくらし