初午やまことしやかに供餉の魚 秋櫻子
初午や風にまたゝく行燈の灯 淡路女
境内はまだ皆枯木一の午 淡路女
神主の肴さげたり一の午 虚子
初午や古き幟ももののかず 淡路女
初午の炬燵にあたる祠守 立子
初午や思ひがけなき夜の雪 淡路女
初午や人のとだゆる宵の口 淡路女
初午や霰小紋のなつかしく 喜舟
初午閂はづず乾門 喜舟
大嶽祇初午の燈は雲の中 蛇笏
はつ午や煮しめてうまき焼豆腐 万太郎
初午や馬込池上犬殖えて 茅舎
初午や雪をのせたる四方の屋根 万太郎
初午の藪の下みちくらきかな 万太郎
行燈をさへぎる梅や一の午 たかし
はつ午や坂にかかりてみゆる海 万太郎
焦土の石積みて初午の祠とす 秋櫻子
焦土にて初午の鰈供へある 秋櫻子
初午の幟こぞるは機屋らし 秋櫻子
初午の黄昏れし燈を点しけり 石鼎
はつ午や煮しめうまき焼豆腐 万太郎
行きずりの初午末子へ加護祈る 草田男
初午や燈明凍る雪一片 秋櫻子
初午にちなむ手振りや地唄舞 秋櫻子