和歌と俳句

滝の糸おぼつかなくもかかるかな 風生

おもむろに落ちゆく水や滝の上 立子

滝水の一すぢ強きすぢありぬ 立子

半ばより煙の如く滝落つる 立子

滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり 立子

熊笹の少しふまれぬ滝の音 風生

岩檜葉を掴むんで渉る滝探り 青邨

滝壺に近づけば滝そちこちに 青邨

飛んで来る水の礫や滝探り 青邨

峰高く煙らせてをり滝見茶屋 爽雨

滝涼し案内同士も話しをり 爽雨

神にませばまこと美はし那智の瀧 虚子

石狩の源の瀧先づ三つ 虚子

滝水の剰り水うく朱盃かな 石鼎

滝壺をあふれつらなる水沫かな 石鼎

手つなぎてうかれ通る娘瀧しぶき 立子

渉る子等皆瀧をマタノゾキ 茅舎

金輪際此合掌を滝打てり 茅舎

滝を見る平氏の寺の書院かな かな女

天ゆ落つ華厳日輪かざしけり 亞浪

よろこびて落つ水待つて 瀧走る 汀女

瀧水のわかれの水に垣を結ひ 汀女

滝幽かたどりくるかも雲の間 青畝

金剛の滝ならび落つ雲の間 青畝

白き滝妙義の肌の窪深く 草田男

かの瀑布みどりの草の山に落つ 青邨

雲の中瀧かがやきて音もなし 青邨

天の裂目巌の裂目の滝落つる 青邨

夏の日や鍼のごとくに滝しぶき 青畝

大滝は裾の乱れをつくろはず 誓子

瀧煙肺腑に沁みて腥し 風生

長滝に容れて滝壺大いなる 誓子

名は裏見袖ぬれてこそ忍ぶ滝 静塔