大輪の藍朝顔やしぼり咲き 久女
朝顔や濁り初めたる市の空 久女
朝顔や夜網に捕れし鯰共 喜舟
朝顔や累ヶ淵の一とくさり 万太郎
朝顔に寝乱れ髪の櫛落ちぬ 淡路女
あさがほにまつりの注連の残りけり 万太郎
けふの日の朝顔の朝ながかれや 亜浪
朝顔のしぼみし花の葉に沈み 立子
枯れようとして朝顔の白さ二つ 山頭火
朝顔に人のぬくみを避けてあり かな女
朝顔を平賀源内咲かせ候 万太郎
朝顔やあはれ咲きたる濃紫 万太郎
發ちしまま朝顔いまだ新しく 汀女
朝顔を結ひしこよりの濡れて咲く 汀女
朝顔は白く柔らにひらきゐて葉映あをし蔓も濡れつつ 白秋
朝顔に襁褓滴たり路次の天 不死男
朝顔や到るところに友が待つ 耕衣
あさがほにしまひおくれし葭戸かな 万太郎
朝顔や赴任きまりて色多く 汀女
朝顔の紫紺簇がり車掌住む 友二
花籠を垂るる朝顔朝茶の湯 風生
あさがほや家をめぐりて十数歩 多佳子
朝顔に産安らかと聞えたり 汀女
沐浴すや朝顔垣の夜もたわに 汀女
朝顔や病も知らずわが齢 波郷
朝顔の紺の彼方の月日かな 波郷
朝顔や旅を戻りて古郷の忌 波郷
朝顔に風も吹かずよ草の中 波郷