君が手もまじるなるべし花薄 去来
百疋の馬に模様や花すすき 涼菟
花すすきひと夜はなびけ武蔵坊 蕪村
村をばな夕越えゆけば人呼ふ 暁台
を花散や鬢の毛を吹風の筋 暁台
伸上る富士のわかれや花すゝき 几董
秋の日やうすくれなゐのむら尾花 青蘿
既になき色を秋ふる尾花かな 青蘿
良寛
秋風の尾花吹きしく夕暮は渚によする波かとぞ思ふ
良寛
秋風になびく山路のすすきの穂見つつ来にけり君が家べに
良寛
あしびきの山のたをりに打ちなびく尾花たをりて君が家べに
良寛
み山べの山のたをりにうちなびく尾花ながめてたどりつつ来し
一葉
中々にあらくは吹かぬ風ゆゑにみだれてなびく花薄かな
石の上にはへぬ許りそ花薄 子規
節
秋風はいまか吹くらし小林に刈らでの芒穗にいでそめつ
節
大ふねの舳の松の野の穗芒は陵のへに靡びきあへるかも
花すすき小垣の昼を鶏鳴いて 蛇笏
節
秋の空ほのかに燒くる黄昏に穗芒白し闇くしなれども
長短の風になびくや花薄 漱石