夕紅葉芋田楽の冷たさよ
念仏に拍子のつきし一葉哉
三ケ月の細き際より一葉哉
露おりて四条はもとの川原哉
泣く者をつれて行とや秋の風
老たりな瓢と我影法師
有明や浅間の雰が膳をはふ
そば時や月のしなのの善光寺
有明や露にまぶれしちくま川
けふからは日本の厂ぞ楽に寝よ
鴈鳴や雰の浅間へ火を焚と
夕月に尻つんむけて小田の鴈
きりきりしやんとしてさく桔梗哉
かしましや将軍さまの厂じや迚
行秋や入道どののにらみ汐
名月や家より出て家に入
おとなしく留主をしていろ蛬
露ちるやむさい此世に用なしと
山里は汁の中迄名月ぞ
うつくしやせうじの穴の天の川
エイヤツと活た所が秋の暮
死神により残されて秋の暮
両国の両方ともに夜寒哉
名月や寝ながらおがむ体たらく
餅つくや芒の中のいく在所