其角
かも河の鴨を鉄輪に雪見かな
蕪村
賀茂河のかじかしらずや都人
子規
月更けて人は帰りぬ鴨河や四條河原の秋の初風
子規
夏の夜の月の光し清ければ加茂の河原に人つどひけり
鉄幹
いづこにてまたもとるべきこの御手ぞ柳ちるなり加茂川の秋
晶子
額ごしに 暁の月みる 加茂川の 浅水色の みだれ藻染よ
晶子
京はものの つらきところと 書きさして 見おろしませる 加茂の河しろき
晶子
ふた月を 歌にただある 三本樹 加茂川千鳥 恋はなき子ぞ
晶子
加茂川に 小舟もちゐる 五月雨 われと皷を あやぶみましぬ
晶子
加茂川の石みな濡るるむつかしと人を呼ぶなり夏の日の雨
晶子
床几より足を垂れたる舞姫の前に絹ひく加茂川の水
晶子
加茂の水二条あたりの凉しかる薄墨色の橋の下かな
晶子
加茂川の水を導く石組みぬ源氏の君とわが聴かんため
憲吉
春めきし賀茂川のおと朝がすみおほにかなしく旅に遇ふかも
憲吉
賀茂川の音春めきぬこの宿に戸をとづれども耳ちかきおと