都いでて神も旅寐の日数哉 芭蕉
神の旅酒匂は橋と成にけり 其角
結びおきて結ぶの神は旅立ちぬ 子規
蘆の葉も笛仕る神の旅 虚子
神の旅古事記の紙魚の穴よりす 喜舟
魂ぬけの小倉百人神の旅 青畝
神の旅この勾玉を落し物 喜舟
風の駒雲の車や神送り 才麿
荒るものと知ばたふとし神送 鬼貫
しぐれずに空行く風や神送 子規
一筋に神をたのみて送りけり 虚子
神送る鳥居の上の虚空かな 喜舟
留守のまにあれたる神の落葉かな 芭蕉
うつせみの羽衣の宮や神の留守 子規
多羅葉の大樹けやけき神の留守 碧梧桐
しぐれつつ留守守る神の銀杏かな 虚子
旅立ちて神はおはさぬ神馬かな 風生
いみじくもかがやく柚子や神の留守 青畝
波晴れて七浦の神みなお留守 草城
神の留守立山雪をつけにけり 普羅
獅子頭毛の房々や神の留守 喜舟
実をつゞる竹柏の古樹や神の留守 淡路女
奉納の和歌と留守なる神の和歌 夜半
神の留守今戸の狐ならびけり 万太郎
通ひ路の一礼し行く神も留守 たかし
留守の神つれづれぐさの文に在り 青畝
神饌の放つておかれて神の留守 青畝