ストーヴ
玻璃窓にストーブの火映り園烈風 泊雲
乗りおくれし人やストーブに眉平ら 青畝
ストーヴに夜の大雷や二つ三つ 石鼎
ストーヴに椅子ひきよせて読む書かな 久女
白秋
冬の夜の ストーブ守れば 我が行きし 沙漠をぞおもふ 駱駝の足音
白秋
夜は深し ただにしづけく ゐるわれを ストーブの熱り 痛む眼に來る
ストーブの明るくなりて椅子の影 青邨
孤し児の字読むと編むとストーヴに 誓子
ストーヴや我が身静かに椅子にうもれ 立子
ストーヴの焔のもつれ見てゐたり 虚子
ストーヴに神山攀ぢし靴を炙る 誓子
ストーヴの小さき煙突小書斎 虚子
ストーブに対し己に対しけり 汀女