長崎の 港をよろふ 山並に 来むかふ春の 光さしたり あまつ光は
長崎に われ明暮れて とりがなく あづまの國の 君をしぬびつ しぬびけるかな
み冬つき 来むかふ春に こころこそ ゆらぎてやまね 導きたまふ 情しぬびて
しらぬひ 筑紫のはてに われ居れど をしへの親を 讃へざらめや 仰がざらめや
薬師は さはにをれども あれの師は おほかたに似ず 現し世のため 今の世のため
さちはひに 充ち満ちにつつ あれの師の 君が力は いや新しも きみがいのちは
ものぐるひは 哀しきかなと おもふとき さびしきこころ 君にこそ寄れ 救ひたまはな
霊枢に 狂といふとも わがどちは 狂とな云ひそと 宣らしけるらし 病むひとのため
二十年に あまる五とせに なるといふ み祝のにはに 差せる光の 瑞のみひかり
しろがねの 髭さへひかり 新幸も いよよ重ねむ 君がいのちや おのづからなる
長崎に 来てより三とせは 過ぎにけり いざ歸りなむ あづまの春へ 君がみもとへ
をしへをうけし もろもろの人 あつまりて 教への親を 囲むけふかも 言壽ぎにつつ
うつしみの 狂へるひとの 哀しさを かへりももせぬ 世の人醒めよ もろびと覺めよ
おなじ世に うまれあひたる 嬉しさや 教へのおやに この敬ひを ささげまつらむ
むらぎもの こころ傾け ことほぎの 吉言まうさむ 酒祝もせよ 豊酒清酒に
あまつ日の 光るがごとく 月讀の 照らすがごとく 常幸福に います君かも