花の雲かゝりにけりな人の山 子規
花の雲博覽會にかゝりけり 子規
はいつてはくゞつては出ては花の雲 子規
咲く花の薄色雲は吾妻橋ゆ梅若丸の塚になびけり 子規
花の雲ふし拜み行く社かな 虚子
山門も伽藍も花の雲の上 虚子
棕櫚高く見ゆ千本の花の雲 碧梧桐
花の雲かくれつ見えつ行手かな 青畝
花の雲白酒売は女形かな かな女
にじみつつ沈む入日や花の雲 石鼎
濃まさりて西へより居り花の雲 石鼎
山高みこのもかのもに花の雲 茅舎
花の雲鳩は五色に舞ひあそぶ 茅舎
濃まさりて西へより居り花の雲 石鼎
ちらちらとちる花も見え花の雲 花蓑
花の雲谷は鉄橋千鳥がけ 茅舎
花の雲杉の梢に一とちぎれ 茅舎
箱根路やゆくてをとざす花の雲 麦南
花の雲辺土に神となり給ひ 誓子
山隈に咲き出でたりし花の雲 虚子
金魚田にうつる遠くの花の雲 風生
花の雲かりそめならぬえにしのみ 汀女
金泥の雲屏風出て花の雲 誓子