和歌と俳句

織女

琴座アルファ星ベガ

湯原王(拾遺集・秋)
織女の袖継ぐ宵の暁は川瀬の鶴は鳴かずともよし

古今集 よみ人しらず
天の河もみぢを橋にわたせばや たなばたつめの秋をしもまつ

古今集 興風
契りけん心ぞつらき 織女の年にひとたびあふは あふかは

古今集 躬恒
年ごとにあふとはすれど 織女の寝るよの数ぞすくなかりける

古今集 躬恒
織女にかしつる糸の うちはへて年の緒ながく恋ひやわたらん

後撰集 閑院
あふことはたなばたつめにひとしくてたちぬふわざはあへずそありける

後撰集 よみ人しらず
こひこひてあはむと思ふ夕暮れはたなばたつめもかくぞあるらし

後撰集 よみ人しらず
たぐひなき物とは我ぞなりぬべきたなはたつめは人めやはもる