和歌と俳句

盂蘭盆

艸まくら故郷の人の盆会かな 暁台

美しや月の中なる盆の人 暁台

御仏はさびしき盆とおぼすらん 一茶

親一人子一人盆のあはれなり 漱石

墓原のどこもよく似し盆の寺 虚子

盂蘭盆の出わびて仰ぐ雲や星 蛇笏

身一つにかかはる世故の盆會かな 蛇笏

信心の母にしたがふ盆會かな 蛇笏

盆経やかりそめならずよみ習ふ 蛇笏

墓の門に塵取かかる盆会かな 不器男

紅提灯三つ四つ盆の人通り かな女

宵盆や幽みてふかき月の水 蛇笏

山川にながれてはやき盆供かな 蛇笏

この秋は何葉にそへん盆供かな 蛇笏

くさぐさの果ちひさき盆供かな 淡路女

夕されば山路も盆の人どほり 月二郎

きらきらと一と降りしたり盆の雨 月二郎

冷え冷えと箸とる盆の酒肴かな 蛇笏

盂蘭盆や葵も高く花を終ふ 汀女

餓鬼道の青草にほふ盆會かな 蛇笏

僧の綺羅みづみづしくも盆會かな 蛇笏

盂蘭盆や槐樹の月の幽きより 蛇笏

悲しけれ盆寺の前に子を叱る 素十

町中に少し入りこみ盆の寺 虚子

あけはなし盆の仏間と間ごとの灯 素逝