燈籠を三たび挑げぬ露ながら 蕪村
行ほどに上京淋し高燈篭 召波
灯籠の火で飯を食ふ裸かな 一茶
うつくしき燈籠の猶哀れ也 子規
燈籠の火消えなんとす此夕 子規
子規
亡き魂に手向くる檐の燈籠は淋しき秋のはじめなりけり
燈籠をともして留守の小家哉 子規
黍のなかに燈籠見ゆる藁屋かな 虚子
丁字落ちて暫く暗き燈籠かiな 虚子
大船の舳に魂を呼ぶ燈籠かな 碧梧桐
この海の供養にともす燈籠かな 碧梧桐
風の日は障子のうちに燈籠かな 虚子
六十になりて母無き燈籠かな 虚子
里の灯を力によれば燈籠かな 漱石
灯籠提げて木の間の道の七曲り 鬼城
燈籠のさみしく灯る真昼かな 鬼城
本堂に消さで尚ある燈籠かな 石鼎
祖母在ますごと灯籠を吊りにけり 亞浪
燈籠や海すこしみえ切通し 万太郎
燈籠の消えたる後を話しけり 橙黄子
盆燈籠の下ひと夜を過ごし故里立つ 放哉
燈籠の西日に晒るる二階かな 風生
山賤や用意かしこき盆燈籠 蛇笏
燈籠に寄せて明るき目鼻かな 草城
燈籠を見る児いみじくゑまひけり 草城
松の闇水の彼方の燈籠かな 月二郎
燈籠を捨てに来つるや浪高し 播水