和歌と俳句

流灯 燈籠流し

水に置けば浪たたみ来る燈籠かな 虚子

灯籠のわかれては寄る消えつつも 亞浪

流燈や一つにはかにさかのぼる 蛇笏

燈籠やながれてはやき蒲の川 蛇笏

逆汐にたかだかと泛く燈籠かな 蛇笏

谷川を一つ流るる燈籠かな 月二郎

瀬に触れて揺れかはしたる燈籠かな 月二郎

おもざしのほのかに燈籠流しけり 蛇笏

突堤や燈籠流す人ゆきき 播水

流燈の夜半のあらしとなりにけり 月二郎

燈籠の消ぬべきいのち流しけり 万太郎

燈籠のよるべなき身のながれけり

流燈の相ふれたればたゆたへる 悌二郎

水におきし燈籠流れはじめけり 立子

いつの間に流燈欄の近くまで 立子

流燈のひろがり浮ぶ湖心かな 立子

流燈や足もとくらき多摩河原 淡路女

おのづから流燈たまるのど瀬かな 淡路女

ながあめのあがりし燈籠流しかな 万太郎

朝あけや流燈まろぶ波がしら 淡路女

空の闇水の闇濃し流燈会 淡路女

青衣童女われによりそひ流燈会 青邨

流燈の一つを拾ひふなべりに 青邨

夕焼は一瞬にさめ流燈会 青邨

流燈に下りくる霧の見ゆるかな 素十

流燈の遠くも去らず霧の中 素十

流燈に大富士かげを涵しけり 蛇笏

流燈の焦ぐるばかりに面照らす 汀女

流燈の灯影したがふ速さかな 汀女