和歌と俳句

犬蓼の花 赤のまま

犬蓼の花くふ馬や茶の煙 子規

犬蓼の花に水落ち石出たり 鬼城

犬蓼の花にてらつく石二つ 鬼城

漕ぎ入れば湖尻細江岸たかみ舟より見上ぐる犬蓼の花 利玄

赤飯の花と子等いふ犬蓼の花はこちたし家のめぐりに 牧水

手にしたる赤のまんまを手向草 風生

長雨の降るだけ降るや赤のまま 汀女

赤のままそと林間の日を集め 茅舎

山水のどこも泌み出る赤のまま 汀女

人恋へば野は霧雨の赤まんま 鷹女

霧霽れて赤のまんまに野は真昼 鷹女

われ黙り人話しかくあかのまゝ 立子

モンペ穿く赤のマンマに笑ひながら かな女

秋痩せぬ赤のまんまの野にとほく 鷹女

赤のまま土の気もなき蛇籠より 青畝

赤のまま摘めるうまごに随へり 亞浪

赤まんま墓累々と焼けのこり 鷹女

道ばたの捨て蚕に赤のまんまかな 石鼎

犬蓼もはなだちそろふ芋畑 蛇笏

勝ち誇る子をみな逃げぬ赤のまま 草田男

赤のまま赤人も居し故郷かな 青畝

赤のまま天平雲は天のもの 青畝