和歌と俳句

流星

晶子
流れ星うつくしかりき君とわれくつは虫啼く原にかかりぬ

晶子
御空より半はつづく明きみち半はくらき流星のみち

流れ星月明かに幽かなり 虚子

流星の俄に太し月の空 播水

窓の外に燃え果てざりし流れ星 汀女

星落ちしところかや露濃やかに 誓子

星流る身後のわれの何ならむ 誓子

流星を見し刻忘れ場所忘れ 立子

流れ星悲しと言ひし女かな 虚子

死がちかし星をくぐりて星流る 誓子

高原の流星しきりなる夜かな 立子

流星の尾の長かりし湖の空 風生

形正しき星座より星流る 誓子

子午線に流れ星尾を曳きにけり 青畝

ここの空は低くまろしと流れ星 草田男

ふるさとももの傾きて流れ星 草田男

星流る誰かの座右宝となり 静塔

流れ星はるかに遠き空のこと 虚子

大空の青艶にして流れ星 虚子

星一つ命燃えつつ流れけり 虚子

流星の尾の長かりし湖の空 風生

流星の針のこぼるるごとくにも 青邨

十和田湖に星飛びたりと便りせむ 青畝

鼻さきに伊賀の濃闇よ流れ星 林火

流れ星高天ヶ原をとびにける 青畝

流星や墨壱丁を照らしたる 耕衣

熔岩に当らず星の流れけり 青畝

流星や母そのままの夜にあれば 汀女

星とぶや小菜園に茄子太り 汀女

流星や片空のみかときめくは 汀女

夜の山を大きく見せて星流る 林火

追はるること天にもありや星流る 林火