冬
能宣
あたらしき春さへちかくなりゆけばふりのみまさる年の雪かな
右衛門督公任
梅が枝にふりつむ雪はひととせにふたたびさける花かとぞ見る
能宣
おきあかす霜とともにやけさはみな冬の夜ふかきつみもけぬらん
貫之
年の内につもれるつみはかきくらしふる白雪とともにきえなん
能宣
雪ふかき山路になににかへるらん春まつ花のかげにとまらで
兼盛
人はいさをかしやすらん冬くれば年のみつもる雪とこそ見れ
兼盛
かぞふればわが身につもる年月を送り迎ふとなにいそぐらん
重之
ゆきつもるおのが年をばしらずして春をばあすときくぞうれしき