拾遺集・賀
さくら花今夜かざしにさしながらかくてちとせの春をこそへめ
拾遺集・恋
さはにのみ年は経ぬれど葦鶴の心は雲の上にのみこそ
新古今集・恋
わびつつも君が心にかなふとて今朝も袂をはしぞわづらふ
新勅撰集・春
いとはやも しもにかれにし わがやどの むめをわすれぬ はるはきにけり
新勅撰集・恋
むさしのの のなかをわけて つみそめし わかむらさきの いろはかぎりか
新勅撰集・雑歌
ゆきかへり みればむかしの あとながら たのみしかげぞ とまらざりける
新勅撰集・雑歌
ゆめかとて あけてみたれば たまくしげ いまはむなしき 身にこそありけれ
続後撰集・恋
音羽川 おとにのみこそ ききわたれ すむなる人の かげを頼みて
続後撰集・恋
秋の夜を まてとたのめし 言の葉に 今もかかれる 露のはかなさ
続後撰集・恋
秋萩の した葉の色を 見るときぞ ひとりある人は 思ひしらるる