和歌と俳句

鎌倉

せはしげに叩く木魚や雪の寺 虚子

鎌倉や矢倉の中に散る木の葉 喜舟

鎌倉は古き都や注連の内 虚子

茂吉
わが友と低きこゑにて話し行く鎌倉のうみの冬の夜の月

茂吉
白梅は散りがたにして幾本か立てる山峡われ行きにけり

茂吉
鎌倉の浅山峡をとほり来て白き砂丘は見えそめにけり

晩涼やいつしか濃ゆき海の藍 立子

鎌倉の冬夜や五位の啼き渡る かな女

鎌倉の古き冬苔石に真黄 かな女

鎌倉はよい松の木のが出た 山頭火

鎌倉に馬車の往来やクリスマス 万太郎

鎌倉の辻の多さよ木槿垣 立子

鎌倉の空の青さよ曼珠沙華 立子

鎌倉に実朝忌あり美しき 虚子

早春の鎌倉山の椿かな 虚子

鎌倉の冬めく月夜得てしかな 万太郎

鎌倉や浅しと云ふも夏の山 尾崎迷堂

鎌倉の果てから果ての小春かな 万太郎

豆の花いまかまくらにさかりかな 万太郎

鎌倉の秋はじめての芙蓉かな 万太郎

のべたらにまつりのつづく夏の雲 万太郎

鎌倉の松風さむきかな 万太郎

鎌倉といひてもひろきかな 万太郎

かまくらによひどれおほきかな 万太郎

鎌倉のそこここに垣繕へる 虚子

かまくらのとしまやの雛あられかな 万太郎

鎌倉に清方住めり春の雨 万太郎

立葵やたらに咲ける祭かな 万太郎

鎌倉は面影荒び匂ふ 悌二郎

鎌倉の春豊島屋の鳩サブレ 万太郎

鎌倉の高まりぬいざさらば 青畝

残雪にうもれてふるきみやこかな 万太郎

鎌倉の古き土より牡丹の芽 虚子

鎌倉の此処に住み古り初日の出 虚子

鎌倉は海湾入し避暑の町 虚子

鎌倉の草庵春の嵐かな 虚子

鎌倉やいつもどこかに鉦叩 立子

鎌倉の町中にあり寺の冬 立子

鎌倉の谷戸の冬日を恋ひ歩く 立子

鎌倉の遺構存置す蝉の寺 たかし

鎌倉の夏も過ぎけり天の川 たかし

鎌倉は面影荒び梅匂ふ 悌二郎