和歌と俳句

高浜虚子

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花多き今年のの老木かな

あしびあり残る雪ありたたずまひ

我一人ありて気儘や梅の亭

灯をともすゆびの間の春の闇

春泥の鏡の如く光りをり

梅古木石の如くにかたかりき

東風の空雲一筋に南へ

舞殿が遠く群集のさくらかな

椿大樹我に面して花の数

鎌倉の草庵春の嵐かな

英雄を弔ふ詩幅桜生け

春の山屍をうめて空しかり

独り句を推敲をして遅き日