花多き今年の梅の老木かな
あしびあり残る雪ありたたずまひ
我一人ありて気儘や梅の亭
灯をともすゆびの間の春の闇
春泥の鏡の如く光りをり
梅古木石の如くにかたかりき
東風の空雲一筋に南へ
舞殿が遠く群集のさくらかな
椿大樹我に面して花の数
鎌倉の草庵春の嵐かな
英雄を弔ふ詩幅桜生け
春の山屍をうめて空しかり
独り句を推敲をして遅き日を