和歌と俳句

年の暮

お奉行の名さへ覚へずとしくれぬ 来山

としの瀬や漕ず楫せず行ほどに 来山

日の本の人の多さよ年のくれ 才麿

勝手より子の這て出るとしのくれ 才麿

成にけりなりにけり迄年の暮 芭蕉

わすれ草菜飯につまん年の暮 芭蕉

年暮ぬ笠きて草鞋はきながら 芭蕉

めでたき人のかずにも入らむ老のくれ 芭蕉

月雪とのさばりけらしとしの昏 芭蕉

旧里や臍の緒に泣としの暮 芭蕉

皆拝め二見のしめをとしの暮 芭蕉

はまぐりのいけるかひあれとしのくれ 芭蕉

盗人に逢ふたよも有年のくれ 芭蕉

分別の底たたきけり年の昏 芭蕉

古法眼出どころあはれ年の暮 芭蕉

そばうちて眉髭白しとしのくれ 嵐雪

年のくれ破れ袴の幾くだり 杉風

追鳥も山に帰るか年の暮 丈草

としなみのくくりて行や足の下 去来

いねいねと人にいはれつ年の暮 路通

下積の蜜柑ちいさし年の暮 浪化

明松や紅葉ちりしく年の関 北枝

芭蕉去てそののちいまだ年くれず 蕪村

歳の暮隠者かたぎの耻かしき 暁台

眼に残る親の若さよ年の暮 太祇

年の暮人に物遣る蔵もがな 一茶

耕さぬ罪もいくばく年の暮 一茶

餅の出る槌がほしさよ年の暮 一茶

としの暮亀はいつ迄釣さるる 一茶

羽生えて銭がとぶ也としの暮 一茶

湯に入て我身となるや年の暮 一茶

ともかくもあなた任せのとしの暮 一茶


顔見世 初雪 初氷 冬木立 枯尾花 冬の山 枯野 みそさざい 都鳥 千鳥 冬の海 河豚 海鼠 冬ごもり 埋火 囲炉裏 焚火 炬燵 暖炉 火鉢 火桶 湯たんぽ 風邪 マスク 襟巻 手袋 日向ぼつこ 北風 霜夜 霜柱 冬の雨 冬の月 冬至 柚湯 クリスマス 師走 年の市 煤払い 年忘れ 餅つき  歳の暮 行く年 大晦日 除夜 除夜の鐘