和歌と俳句

源氏物語の中の短歌

行幸

雪深きをしほの山に立つ雉子の古き跡をも今日はたづねよ

小塩山みゆき積もれる松原に今日ばかりなる跡やなからん

うちきらし朝曇りせしみゆきにはさやかに空の光やは見し

あかねさす光は空に曇らぬをなどてみゆきに目をきらしけん

ふたかたに言ひもてゆけば玉櫛笥わがみはなれぬかけごなりけり

わが身こそうらみられけれ唐ごろも君が袂に馴れずと思へば

からごろもまた唐衣からごろも返す返すも唐衣

うらめしや沖つ玉藻をかづくまで磯隠れける海人の心よ

寄辺なみかかる渚にうち寄せて海人も尋ねぬ藻屑とぞ見し