和歌と俳句

源氏物語の中の短歌

花散里

をちかへりえぞ忍ばれぬ杜鵑ほの語らひし宿の垣根に

ほととぎす語らふ声はそれながらあなおぼつかな五月雨の空

橘の香をなつかしみほととぎす花散る里を訪ねてぞとふ

人目なく荒れたる宿はの花こそ軒のつまとなりけれ