和歌と俳句

源氏物語の中の短歌

藤袴

おなじ野の露にやつるる藤袴哀れはかけよかごとばかりも

たづぬるに遥けき野辺の露ならばうす紫やかごとならまし

妹背山深き道をば尋ねずてをだえの橋にふみまどひける

まどひける道をば知らず妹背山たどたどしくぞたれもふみ見し

数ならばいとひもせまし長月に命をかくるほどぞはかなき

朝日さす光を見ても玉笹の葉分の霜は消たずもあらなん

忘れなんと思ふも物の悲しきをいかさまにしていかさまにせん

心もて日かげに向かふ葵だに朝置く露をおのれやは消つ