絶ゆまじきすぢを頼みし玉かづら思ひのほかのにかけ離れぬる
玉かづら絶えてもやまじ行く道のたむけの神もかけて誓はん
亡き人を恋ふる袂のほどなきに荒れたる軒の雫さへ添ふ
尋ねてもわれこそ訪はめ道もなく深き蓬のもとの心を
藤波の打ち過ぎがたく見えつるはまつこそ宿のしるしなりけれ
年を経て待つしるしなきわが宿は花のたよりに過ぎぬばかりか