和歌と俳句

冬籠り ふゆごもり

わが声も忘るるほどに冬籠 みどり女

読みちらし書きちらしつつ冬籠 青邨

冬籠座右に千枚どほしかな 虚子

冬籠心を籠めて手紙書く 虚子

思ふこと書信に飛ばし冬籠 虚子

冬ごもり掃きだすけふの埃かな 万太郎

いまは亡き人とふたりや冬籠 万太郎

しんしんと冷ゆる日のあり冬籠 万太郎

冬ごもり顧みすれば故人がち 青畝

冬籠障子隔てゝ人の訪ふ 虚子

小包で届く薬や冬籠 虚子

磐石の尻を据ゑたる冬籠 虚子

旅鞄そのまゝ座右に冬籠 虚子

冬籠人を送るも一事たり 虚子

庭に下り四五歩歩くや冬籠 虚子

陶工と倶に晩餐冬ごもり 青畝

茂吉
最上川にごりみなぎるいきほひをまぼろしに見て冬ごもりけり

冬籠われを動かすものあらば 虚子

食小さくなりて健か冬籠 虚子

腰あげてすぐ又坐る冬籠 虚子

玄関に写楽をかけて冬籠り 万太郎

昼の闇得し猫の眼と冬ごもり 草田男

連句読めば芭蕉が好きや冬籠 立子

眼がつねに涙うるみ冬籠 林火

逃げてゆく日脚を追はず冬ごもり 万太郎

冬ごもりつひに一人は一人かな 万太郎

日本海みたきねがひや冬ごもり 万太郎