半日は神を友にや年忘れ 芭蕉
人に家をかはせて我は年忘 芭蕉
魚鳥の心はしらず年わすれ 芭蕉
せつかれて年忘れするきげんかな 芭蕉
十五日春やのしこむ年わすれ 丈草
小僧等に法問させて年忘 蕪村
霊運もこよひはゆるせとし忘れ 蕪村
おもひ出していふ事なかれ年わすれ 暁台
とし忘れけふ白髪の仲ま入 暁台
大名に酒の友あり年忘れ 太祇
わかき人に交リてうれし年忘 几董
年忘れ旅をわするる夜も哉 一茶
独身や上野あるいてとし忘れ 一茶
死にかけしこともありしか年忘れ 子規
年忘橙剥いて酒酌まん 子規
年忘酒泉の太守鼓打つ 子規
年忘れ一斗の酒を尽しけり 子規
年忘れ腹は中々切りにくき 漱石
髯剃りてふだん羽織や年忘 石鼎
床に早や福寿草あり忘年会 石鼎
中庭へ障子明りや忘年会 石鼎
房州の波を見に来つ年忘 喜舟
どろどろに酔うてしまひぬ年忘 草城
遅参なき忘年会の始まれり 普羅