和歌と俳句

年忘れ

拭きこみし柱の艶や年忘 万太郎

年わすれ舞子と仮のめをと仲 秋櫻子

女だち忘年会に行く支度 青邨

帯みんな美しかりし年忘れ 青邨

来し妓のみな俳人や年忘 立子

年わすれの酒盃へ蠅もきてとまる 山頭火

老校書一さし舞ひぬ年忘れ 風生

蘭蝶を弾かせて年を忘れけり みどり女

はやばやと灯したてたり年忘 万太郎

年忘猪を煮る火の熾りけり 万太郎

伊豆の湯はうつくしかりし年忘 青邨

年忘れ老は淋しく笑まひをり 虚子

年忘れひそかに祀る神おはし 汀女

諸共に俘虜の大禿年忘れ 静塔

座を起つて見る星青き年忘 槐太

一つづつうけて十猪口や年忘 万太郎

師の脇に酒つつしむよ年忘れ 波郷

君は誰ぞと医の友問ひぬ年忘れ 秋櫻子

毛氈の緋のはなやぐや年忘れ 万太郎

隅田川見て刻待てり年わすれ 秋櫻子

パチンコへ損をしに行き年忘 青畝

とんとんと上る階段年忘れ 立子

満月の川波見つつ年わすれ 秋櫻子

年忘れ忘れてならぬ恩ひとつ 風生

年忘れ最も老を忘れけり 風生

大鯛を得て俄かなる年わすれ 秋櫻子

古きものに古きよろしさ年忘れ 風生


短日 冬の日 顔見世 冬の空 水鳥 初雪 初氷 寒さ 冬木立 枯木 冬枯 枯尾花 冬の山 枯野 みそさざい 都鳥 千鳥 冬の海 河豚 海鼠 冬ごもり 埋火 焚火 炬燵 風邪 日向ぼつこ 北風 霜夜 冬の雨 冬の月 冬至 柚湯 クリスマス 師走 年の市 煤払い 年忘れ 餅つき  歳の暮 行く年 大晦日 除夜 除夜の鐘