和歌と俳句

鵜飼 鵜船 鵜匠

おもしろうてやがてかなしき鵜舟哉 芭蕉

鵜とともにこころは水をくぐり行 鬼貫

声あらば鮎も鳴らん鵜飼舟 越人

首たてて鵜のむれのぼる早瀬哉 浪化

鵜飼火に燃てはたらく白髪かな 北枝

誰住みて樒流るる鵜川哉 蕪村

しののめや鵜をのがれたる魚浅し 蕪村

夜やいつの長良の鵜舟曾て見し 蕪村

曲リ江にものいひかはす鵜ぶね哉 召波

吐す鵜と放ツ鵜繩のいとまなみ 召波

鵜の嘴に魚とり直す早瀬かな 白雄

水くれて三十日に近き鵜川哉 白雄

列立て火影行鵜や夜の水 太祇

底見へて鵜川あさまし夜の水 太祇

ゆふだちの月に成ぬる鵜川かな 太祇

鵜ぶねみる岸や闇路をたどりたどり 太祇

昼の鵜の現に鳴か籠のうち 青蘿

世わたりや鵜縄の上も十二筋 青蘿

おもしろやふりむく鵜あり行鵜あり 青蘿

鵜舟から日暮広がるやうす哉 一茶

夕月やうにかせがせて茶碗酒 一茶

ひいき鵜は又もからみで浮にけり 一茶

疲れ鵜の叱られて又入りにけり 一茶