和歌と俳句

鵜飼 鵜船 鵜匠

はらはらと風にはぢくや鵜の篝 子規

月の出る裏へ裏へと鵜舟哉 子規

風吹いて篝のくらき鵜川かな 子規

七筋を心利きたる鵜匠哉 漱石

鵜つかひや忍冬咲いて昼の宿 碧梧桐

闇中に山ぞ峙つ鵜川かな 碧梧桐

羽たたきや縄に釣られし鵜のたけり 碧梧桐

船ばたに竝んで兄鵜弟鵜かな 鬼城

夜明りに渦とけむすぶ鵜川かな 蛇笏

鵜飼見の船よそほひや夕かげり 虚子

鵜の嘴のつひに大鮎をのみ込んだり 亞浪

水蹴立て浅瀬をわたる鵜匠かな 秋櫻子

鵜篝の流れ流るゝ焔かな 花蓑

鵜篝や月の山蔭山蔭に 花蓑

鵜をさばくひまの会釈をくれにけり 爽雨

提灯のかげの小ぐらさ鵜船待つ 石鼎

鵜の篝暗の巌を照らし来る 石鼎

鵜篝の火心まぶしく見えたりけり 石鼎

鵜篝の烈火に躍る鵜匠かな 石鼎

鵜篝の鵜匠は闇の王者かな 石鼎

鵜の川に寺もかけたる桟敷かな 爽雨

ながれ出て舳のふりかはる鵜舟かな 蛇笏

鵜のあはれ鵜縄の張ればひかれたる 多佳子

両岸は巌壁にして鵜飼かな 石鼎

巌が根をこがしてはゆく鵜船かな 石鼎

桑畠を潜り出て観る鵜飼かな 石鼎

小舎の鵜に月の浄土の夢やあらむ 石鼎

月光のしたたりかかる鵜籠かな 蛇笏

篝火に雨はしる鵜の出そろへり 蛇笏

泊つる夜は鵜舟のみよし影澄みぬ 蛇笏

鵜かがりのおとろへてひくけむりかな 蛇笏

鵜舟並み瑞の大嶽雲新た 蛇笏