和歌と俳句

走馬燈 廻り灯籠

走馬燈風なき夜となりにけり 万太郎

走馬燈おろかなる絵のうつくしき 林火

つくばひに廻り燈籠の灯影かな 虚子

燈ともせば侏儒が遊ぶ走馬燈 淡路女

龍宮に迫る一魚や走馬燈 淡路女

痩せて男肥えて女や走馬燈 しづの女

生涯にまはり燈籠の句一つ 素十

走馬燈ながるるごとく人老ゆる 麦南

さがす人こゝにもみえず走馬燈 万太郎

走馬燈いのちを賭けてまはりけり 万太郎

走馬燈月のひかりをやどしけり 万太郎

人生は陳腐なるかな走馬燈 虚子

老人の日課の如く走馬燈 虚子

あさがほのあはれのまはり燈籠かな 万太郎

わが死後やかくて夜更けの走馬燈 鷹女

夜に訪ふことはめづらし走馬燈 立子

浅草に無く鎌倉で買ふ走馬燈 虚子

走馬燈我にもよき日めぐり来る 立子

夕懈き静臥のあとの走馬燈 波郷

走馬燈白木の骨に昼を痩す 林火

病室巡業して来たりけり走馬燈 波郷

病み痩せて長き手足や走馬燈 波郷

走馬燈看護婦呼びて灯を入るる 波郷

走馬燈二人のぞきに点したる 爽雨