和歌と俳句

梅 白梅

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此村に一えだ咲きぬ梅の華 也有

一輪を五つにわけて梅ちりぬ 蕪村

二もとの梅に遅速を愛す哉 蕪村

うめ折て皺手にかこつ薫かな 蕪村

白梅や墨芳しき鴻ろ館 蕪村

鳥さしを尻目に藪の梅咲ぬ 蕪村

しら梅や誰むかしより垣の外 蕪村

梅咲ぬれどむめやらうめじややら 蕪村

みのむしの古巣に添ふて梅二輪 蕪村

鳴滝の植木屋がむめ咲にけり 蕪村

こちの梅も隣の梅も咲にけり 蕪村

梅遠近南すべく北すべく 蕪村

水にちりて花なくなりぬ岸の梅 蕪村

白梅やわすれ花にも似たる哉 蕪村

住吉に天満神のむめ咲ぬ 蕪村

むめのかの立のぼりてや月の暈 蕪村

散るたびに老ゆく梅の木末かな 蕪村

しら梅や北野の茶店にすまひ取 蕪村

梅散や螺鈿こぼるゝ卓の上 蕪村

燈を置かで人あるさまや梅が宿 蕪村

短冊と伏見の梅を一荷かな 召波

富家もまづしき門もうめさきぬ 白雄

な折そと折てくれけり園の梅 太祇

あざやかに一輪づゝやうめの花 青蘿

梅がかに障子ひらけば月夜哉 一茶

我もけさ清僧の部也 一茶

なつかしや梅あちこちに夕木魚 一茶

梅さけどなけどひとり哉 一茶

一日も我家ほしさよ梅花 一茶

梅咲や去年は越後のあぶれ人 一茶

梅がかやどなたが来ても欠茶碗 一茶

梅咲くやあはれことしももらひ餅 一茶

梅咲て一際人の古びけり 一茶

梅が香に引くるまりて寝たりけり 一茶

梅咲て身のおろかさの同也 一茶

藪の梅主なし状のさらさるる 一茶

我春も上々吉よ梅の花 一茶

物売を梅からよぶや下屋敷 一茶

梅さくや平親王の御月夜 一茶

黒土や艸履のうらも梅花 一茶

梅さくや我にとりつく不精神 一茶

梅がかやおくに一組わらじ客 一茶

梅咲やせうじに猫の影法師 一茶

梅咲くや門迹を待つ青畳 一茶

丘の梅けさ見し枝もなかりけり 一茶