外套のゐだけ高なる散歩かな 石鼎
ひたすらに纏ひて破るる外套かな 汀女
外套を黝くぞみたるのみに寝る 波郷
書の白さ外套を脱ぎ痩身なる 波郷
プール涸れ外套を着て降る梯子 不死男
外套の襟立てて世に容れられず 楸邨
外套を脱ぎしが壁の影も脱ぐ 楸邨
外套に銭あり握りては離す 楸邨
外套の夫と離れつつ貝拾ふ 波津女
焦土に月日外套の釦ネオン受く 不死男
坂登る黒き外套は吾が世界 綾子
外套の泥はね一つ灯に戻る 綾子
外套を脱ぐ妻罪びと吾が仰ぐ 波郷
外套のわが影病めりとぞ思ふ 波郷