和歌と俳句

秋祭り

樫の木の蔭も古りけり秋祭 普羅

秋祭蝶々小さくなりにけり 普羅

群巒にひとり神なる秋祭 普羅

秋祭人語四万の峠より 普羅

漂へる蝶々黄なり秋祭 普羅

波音をはこぶ風あり秋まつり 万太郎

秋祭リボン古風に来たまへり 静塔

秋祭女房鳥声にわらふ 静塔

つたへ古る獅子舞唄や秋祭 秋櫻子

秋祭終る太鼓をどんと打つ 三鬼

濁り江の潮どきかなし秋祭 秋櫻子

秋祭漕ぎ近づきて網打てる 秋櫻子

病むひとのひげも剃られて秋祭 草城

鵙が鳴き柿が輝き秋祭 草城

着飾りて畦に佇ちをり秋祭 草城

満汐の向ふの町の秋祭 汀女

幟立ち何にもなくて秋祭 風生

草の実の廃墟すべなし秋祭 秋櫻子

塵箱に鱗ちりばめ秋祭 静塔

秋まつり田無の槻並木かな 万太郎

よろづやの日除にさす日秋祭 万太郎

皮剥けし杉も祭のまぶしさに 静塔

提灯のあかるすぎるや秋まつり 万太郎

秋祭生きてこまごま光る種子 三鬼

すゞめ来て萩をゆするや秋祭 万太郎

豆腐屋にさがる提灯秋祭 万太郎

棒に集る雲の綿菓子秋祭 三鬼

山川に歩みまけたり秋祭 静塔

水郷に斎竹を挿す秋祭 青畝

まひるまの静かな家並秋祭 立子

壺ならぶ古玩の店も秋祭 秋櫻子

小鳴門をながるる渦や秋祭 秋櫻子

太鼓打つ穂草の辻も秋祭 秋櫻子

提灯を吊す古釘秋祭 汀女

秋祭昨日に出水の地獄変 悌二郎

露店立つ前を走り根秋まつり 爽雨

気配すらなくて漁村の秋祭 悌二郎

千木見ればとぶ落葉あり秋祭 爽雨

秋祭倉稲魂は嶮にます 静塔

総髪の枯れしを結ぶ秋祭 静塔

神輿挽く美幌の馬も秋祭 青畝