和歌と俳句

五十嵐播水

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春深し花をつけたる草

淵ひいて纜あらはれぬ昼霞

よごれたる海の面や夕霞

遠富士の現れ消えぬ夕霞

春潮にうち傾ける白帆かな

白虹の貫く天や畑打つ

風さつと壺焼の火を赤うしぬ

島山を焼く二すぢの煙かな

物売の荷を下したる汐干潟

古り果てて夫婦ともなし麦を踏む

月代や衰へそめし花かがり

手折り来し花をかざして渚人

夕富士やほのかに浮ぶ花の上

まらうどに早風呂焚くや松の花

蓬摘む真昼まばゆき川の面