和歌と俳句

梅茶屋の霰まろべるふとんかな 爽雨

ゆく雲や霰ふりやむ寺林 蛇笏

沼の怪をおどろかし降る霰かな 喜舟

木の葉の笠に音たてて霰 山頭火

鉄鉢の中へも霰 山頭火

けふは霰にたたかれて 山頭火

湖の如く霰たばしる広場かな 汀女

渓巌に吹きたまりたるあられかな 蛇笏

うす日して震災堂の玉あられ 蛇笏

しばらくはあられふりやむ楢林 蛇笏

文章を書きをればよく霰ふる 耕衣

ひらきたる厨子の香にふる霰かな 耕衣

梅の木に霰きしかば文章書く 耕衣

雲乱れ霰忽ち降り来り 虚子

ふりやみて巌になじむたまあられ 蛇笏

老い朽ちてゆく母羨し玉霰 耕衣

玉霰幽かに御空奏でけり 茅舎

玉霰錦木の実もうちまぢへ 茅舎

降り止んでひつそり並ぶ霰かな 茅舎

玉あられまこと小さくちいさくて 茅舎

玉霰花無き梅を降り包み たかし

霰打つ暗き海より獲れし蟹 たかし

午過ぎて初霰せり爆音下 楸邨

石山も地上も霰はねかへる 誓子

供華もなし故郷の霰額打つ 三鬼

脳天に霰を溜めて耶蘇名ルカ 三鬼

子の脚がはね霰がはね視野ゆたか 楸邨

霰打つ模型の鮨をめがけては 不死男

三輪の里降りわたりたる霰かな 青畝

髪の中に脱けてある髪夕霰 耕衣

霰打つ谷底の墓時忠卿 林火

山寺の霰に澄みし夕べかな 青畝

霰きて術後の弱き目を荒らす 不死男