和歌と俳句

源俊頼

いつよりの 誓ならねば 君が代を おほたらしめに まかせてぞみる

金葉集・雑いくかへり 花咲きぬらむ 住吉の 松も神代の ものとこそきけ

住の江に 神さびにける 松なれば 波もしづえに ゆふかけてみゆ

住吉の ちきのかたそぎ ゆきもあはで 霜おきまがふ 冬はきにけり

いまさらに いもかへさめや いちしるき あすはの宮に こしはさすとも

いにしへを 思へばくやし しめのうちに 榊さすまは おかましものを

みをはつと わたしも果てぬ わが恋や 葛城山の 岩のかけはし

たがのぼる 人のためとや ここにしも あとをたるみの あけのたまがき

いかにせむ うさかの杜に 見えずとも 君がしもとの 數ならぬ身を

いかにせむ 筑摩の神も 埋もれて つみけむなへの 數ならぬ身を

あたりをば なほほのめかせ 神垣や 三輪のしるしは 絶えもこそすれ

けふみれば 花もすぎふに なりにけり 風は稲荷に 吹くとみれども

おもひかね 社も見えぬ 森にきて 祈りしことの はよいかにぞや

あまくだる 神もしるらむ おもふこと むなしきもりに ゆきて祈らば

さかきばを 神のみむろと あがむれば ゆふつげとりの ねぐらなりけり

きさらぎの はつさるなれや 春日山 峯とよむまで いただきまつる

ひきつれて わたるけしきを 来てみれば いつきて神の かざりなりける

ひとしれず 稲荷の神に 祈るらむ しるしの杉と おもふばかりぞ

きみをとは 稲荷の神に 祈らねば しるしの杉の うれしげもなし

あれこそは もちゐの宮と きくからに つくづくとおもふ ことをこそ祈れ

あれとみば さしてそれとも まゐらまし よそにもちゐの 宮仕へして