和歌と俳句

単帯 ひとえおび

午寝人の腰ほそぼそと一重帯 石鼎

嵩もなう解かれて涼し一重帯 草城

帯どめの翡翠は青し一重帯 草城

水の粉や胴ほそぼそと一重帯 草城

通り雨に逢うて戻りぬ一重帯 草城

たてとほす男嫌ひの単帯 久女

よきみくじ四つに畳んで単帯 立子

単帯かくまで胸のほそりけり 万太郎

商売の書き入れどきや単帯 真砂女

単帯看護づかれの見ゆるかな 万太郎

単帯或る日は心くじけつつ 汀女

まがふなき港のありか一重帯 汀女